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インド旅①

旅の目的


今回旅の目的は、パンチャカルマというアーユルヴェーダの治療を受けること。

パンチャカルマとは体内の毒素を外に出す解毒と浄化のための治療で、オイルを使った施術です。

今回は「バラティヤ(インド)サンスクリティ(文化)ダルシャン(見る)トラスト(財団)」(以下BSDT)にあるアーユルヴェーダ大学病院のパンチャカルマ棟に2週間入院し、本格的なパンチャカルマのトリートメントと治療を体験します。

ミントグリーンの壁面が鮮やかなBSDTでの全てが初体験の日々がスタートします。

長旅の始まり


朝5時に起きて8時に羽田空港に入り、11時の便でデリーへ。

私自身にとっては2度目のインド、そしてその8年前のインド旅以来の海外で、チケットやらビザやらの手配にヒーヒーし、全部がタッチパネル化した空港システムにドギマギしながらの旅路のスタート。

荷物は、2週間の滞在ですが殆ど入院生活なので3泊分程のスーツケースに小さなリュック1つ。

とても身軽な出立です。

幸先よくピカチュウデザインのANA機に乗れてテンションも上がります。

機内食をベジタリアン食でオーダーしたのも正解で、とても凝った素敵なお料理をいただきました。

デリー空港はさすがヨガ発祥の国だけあって、太陽礼拝をする像やムドラと呼ばれる印を組む手のオブジェなどが並び、旅の情緒を盛り上げてくれます。

そんなわけで、インドに無事到着🇮🇳

ですがここからが長い💦

目的地があるプネ空港まで国内線で移動なんですが、乗り継ぎに3時間待つ予定が2時間飛行機が遅れて結局5時間デリーで足止めに。

病院に着いたのは現地時間の午前2時、東京は午前5時で、まさに24時間の旅路という感じになりました。

到着初日


疲労困憊の中、休む間もなく翌朝一番にお水も飲まずまず検尿。

それが済んでから朝ごはんをいただき、沐浴して身をきよめ、9時から構内のガネーシャ寺院でダヌワンタリヤギャへ参加。

これはアーユルヴェーダの神様ダヌワンタリ神に健康と繁栄の祈りを捧げる儀式です。

病院のあるプネ(プニヤ🟰『清浄』の意味)という街は、インドの中で3番目に大きいマハラシュトラ州にあり、インドで最も治安が良く緑が多いことで知られており、「東のオックスフォード」と呼ばれるpune大学をはじめ多くの大学や研究機関がその拠点を置く街ですが、ガネーシャ神を信仰する街としても知られているそう。

そのため構内にガネーシャ寺院が創設されています。

儀式では文字通り薪をくべた中に胡麻を投げ入れる「ごまだき」が、僧侶の皆さんの取り仕切りのもとで行われました。

治療の始まり


1日目に血液検査などを終えて、脈診の大家であるサダナンダ先生に診ていただき、治療方針が決まりました。

日本から持病の側湾症やヘルニアのレントゲンや診断書を持参したこともあって、骨や関節の弱さを補うヴァータ鎮静のための治療をすることに。

サダナンダ先生はすごい方で、過去の病歴を言い当てられた方もいたとのこと。

私たち相部屋は、部屋と部屋の間にトリートメント室がある構造で、それぞれに適したオイルを使ってトリートメントや治療が行われます。

ひとりひとりにデザインの違う治療用のガウンとパンジャビドレスが支給されるのも嬉しいサービスです。

治療の中身


そして今回受ける前半の治療の流れは

  1. アヴィヤンガ・スネーハナ(オイルマッサージ)
  2. スヴェーダナ(発汗法)
  3. ガルナプルナ(耳オイル)
  4. ナスヤ(鼻オイル)
  5. ガンドゥーシャ(うがい)
  6. ナビバスティ(おへそにオイル)
  7. 小バスティ(アヌアサナバスティ・油剤浣腸)または大バスティ(ニルハバスティ・煎液浣腸)

です。

この流れを毎日繰り返します。

後半は診断を受けて内容が変わるようです。

アヴィヤンガ

アヴィヤンガは薬用オイルを使ったマッサージ。

オイルを塗り込み浸透させて体内の毒素を排出することを目的としています。

アーユルヴェーダのアヴィヤンガは、発汗法や適切な食事と組み合わせることで総合的に身体を整える施術なので、マッサージといっても表面的にコリや痛みを取り除くものとは少し異なります。


◽️オイル

ドクターの診断を受けて私がアヴィヤンガで使っていただいたオイルは、「イェスティマドゥータイラオイル」というオイルです。


◽️セラピストさん

ここでは施術はセラピストさんと若いドクター、いずれも女性の患者向けに女性が担当し、二人がかりでトリートメントと治療をしてくれます。

お二人とも若くてとても綺麗で落ち着いていて、手のマッサージはセラピストさんの手のふっくらとした柔らかさを感じてとても癒されます。

オイルが温かくてとても気持ちいいのと、マッサージ効果よりオイルの浸透を目指すとはいえ、圧もちょうどよく背中や肩甲骨周りは指を立てて押し揉みしてくれます。


◽️本格的かつ伝統に則った設備

ここでのアヴィヤンガは、この後の発汗法で使うスチームの上が台ベットになっている台を使い、そこに紙のパンツを履いて上がり、全身くまなくオイルを塗っていただいてマッサージしてもらいます。

硬い木で組まれた古典的な装置ですが、趣があって私はとても気に入っています。

スヴェーダナ

今回のパンチャカルマでは、薬草を煎じた蒸気を当ててオイルを浸透させて毒素を排出するために、ボックス型のサウナに入る発汗法(ペティスヴェーダ)を行いました。

写真がそのボックスで、上だけでなく背中側はすのこ状に穴が空いていてらそこからも蒸気が出てきます。

かなり暑くなりすぐに汗ばんできます。

ただし頭は台が出ている部分に乗せる形で外に出すので、のぼせやすい私も全く平気です。

ガルナプルナ

耳にオイルを入れます。

アヴィヤンガをしてもらいながら同時にしてもらいます。

温かいオイルが耳に浸透してとても気持ちいいのですが、耳が弱い私はオイルが耳の奥に残りやすくて苦労しました。

ナスヤ

鼻にオイルや薬草の煎じ液などを入れます。

鼻、脳、首、肩にも効果があるそうです。

診察着を着てトリートメントルームを出て、自分のベットに横になります。

顎を上げた姿勢をとり、鼻の穴にオイルを入れていただくのですが、とても気持ちよくスッと奥に届きます。

この治療で匂いに敏感になったという人も多いです。

私は右の鼻の通りが頭悪かったのですが、すごくスッキリして鼻詰まりのような症状がなくなりました。

ガンドゥーシャ

薬草を煎じた液でうがいをします。

ナスヤのオイルを外に出すことにも役立つので、ナスヤとセットで行います。

ナビバスティ

アーユルヴェーダではオイルを溜める治療法をバスティと呼びます。

ナビバスティは、おへその周りに小麦粉で土手を作り、そこにオイルを溜める治療法です。

土手を乗せられる時はひんやりしてくすぐったいのですが、オイルが入ると温かくてとても落ち着きます。

5分〜10分ほど置いて、最後は土手を崩してそのままマッサージ。

これもとても気持ちいいです。

小バスティ・大バスティ

薬剤やオイルを肛門から体内に入れて毒素を取り除く浣腸療法です。

バスティとは「溜める」という意味とともに「膀胱」という意味も持ちます。

注射などがなかった時代に、動物の膀胱に薬剤を詰めてノズルで肛門から体内に注入したことから、浣腸療法をバスティと呼ぶようになったそうです。

今回は小バスティと大バスティを1日おきに交互に行っています。

  1. 左を下にしてベットに横たわる。
  2. 器具で煎じ液を肛門から注入する。
  3. できれば少し保持してから排泄。
  4. 1時間ほど休んでから入浴や食事。

流れは同じです。

小バスティは4日間にオイルが体外に出れば良いのに対し、大バスティは48時間以内に排出します。

最初はかなり緊張したバスティですが、慣れてしまうとあっという間です。

お腹を壊しやすい私は、特に大バスティの後はトイレに何度も行って、それでも症状が治らずお薬を処方していただいたりしましたが、それも1日程度で収まりました。

施設の様子


私は二人部屋で、相方さんとはパーテーションとキャビネットを挟んだ形でそれぞれのベットルームがあります。

ベットには蚊帳がかけられ、比較的古い施設でホテル並みとはいきませんが、必要なものが揃っています。

トイレとバスルームは広めの一部屋で、シャワーもありますがほとんど盤にお湯を貯めてお風呂に浸かっています。それだけで十分快適です。

洗面台にはフェイススクラブやボディスクラブなど、薬草から作ったオーガニックボディケア製品も。

フェイススクラブは本当にツルツルになるので買って帰ることにしました☺️

次のブログでは食事やレクリエーション、サリーを作ってもらったことなどをご報告します!